数学者・プログラマーとの協業

「HOSOO STUDIES」では、過去を探求するだけでなく、最先端分野との協業も行なっています。西陣織が採用しているジャカード織機が、かつてコンピューターが発明されるきっかけとなったという史実からインスピレーションを得て、新たな織組織を探究する挑戦を行なっています。

数学者、アーティスト、コンピュータープログラマーといった、織物の世界とはまったく異分野のスペシャリストたちと、職人が、コラボレーションを通じて織物をつくる。独自の協業によって、織物にイノベーションを起こせないかという想いがありました。織物の9000年の歴史の中で、人類が生み出せなかった新しい構造の織物を、数学やプログラミングを活用することで創造すべく、挑みました。

協業のセッションは、プログラマーたちが職人とともに実際に織機の前に立ち、織物の制作について学習するところから始まりました。数学、アート、プログラミングといった異分野であっても、互いの接点を丁寧に見出していくことで、それらを掛け合わせることは可能になります。何ヶ月にもわたるセッションを繰り返し、互いが触発し合い、新たな織組織を開発することに成功しました。

2020年にはその成果が、HOSOO GALLERYでの展覧会「QUASICRYSTAL コードによる織物の探求」として結実し、今なお研究は発展しつづけています。

水平的な協業